【アンソロジー収録】『だから捨ててと言ったのに』

2025年01月11日

 寒中お見舞い申し上げます。

 年末年始は病臥しており大変失礼をしました。2024年の仕事まとめもしなくちゃいけないなァと思いつつ今日に至っていますが、今年も何卒宜しくお願いします。

 さて、1/16発売『だから捨ててと言ったのに』(講談社)に、「だから棄てゝと云つたのに」という掌編が収録されています(ややこしいですね)。こちらは講談社の会員制読書クラブ"Mephisto Readers Club"で開催された《だから捨ててと言ったのに》という企画に寄せた作品になります。

 書き出しの1行を「だから捨ててと言ったのに。」で固定し、2行目以降からはそれぞれの作家が自由に書き進めるというこの企画。私は「満洲×倒叙」に挑みました。女性が犯人の倒叙ミステリを書くのは、『刀と傘』(創元推理文庫)収録の「桜」以来だったりもします。

 女学校では同級生だった新進気鋭の女流作家とその秘書。支え合いここまで突き進んできた二人の歯車はどこでずれてしまったのか。そして、完璧と思えたこの犯罪に、探偵・月寒三四郎が違和感を抱いた点は何だったのか。お楽しみ頂ければ幸いです。