【新作告知】「仇討禁止令」

　2/9発売の『紙魚の手帖 vol.15 FEBRUARY 2024』に、〈刀と傘シリーズ〉の新作読み切り短編「仇討禁止令」が掲載されています。

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　明治五年夏、江藤新平は苛立っていた。

　司法卿として幾つもの法案を建議するのだが、急峻な江藤の改革意識を厭った薩長の横槍が審議を阻むのである。古来より武士の誉れとされてきた敵討を法で禁ずる仇討禁止令もその内のひとつだった。

　江藤の腹心・鹿野師光は、熱り立つ上司を宥めるため、京都の尾州公用人時代に体験した奇妙な仇討噺を語り始める――。

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　大変長らくお待たせしました。『雨と短銃』以来、3年ぶりの師光登場です（江藤さんとの共演で云うと『刀と傘』以来か）。江藤新平の主導で明治六年に布告された「敵討禁止令」を題材としたミステリ短編で、幕末・明治でしか成立しない趣向を目指しました。お楽しみ頂ければ幸いです。