【新刊告知】『雨と短銃』(創元推理文庫)
2024年05月07日
5/10に、幕末京都ミステリ『雨と短銃』が創元推理文庫から刊行されます。表紙はミステリ・フロンティアの時と同じく、カバーイラスト:ヤマモトマサアキさん、カバーデザイン:岩郷重力さん・h.kさんにお願いをしました。
単行本は青を基調とした表紙だったのですが、今回は一転、鳥居の赤が目立つ仕上がりになっています。かっこいいですね。解説は縄田一男さんで、歴史的背景も含めて本作を振り返って頂きました。大変ありがとうございます。
雨短は私が人生で初めて書き上げた長編なので、思い入れも強い作品です。デビュー作にはその作家の全てが詰まっているとよく云われますが、伊吹亜門の全てが詰まっているのは、『刀と傘』よりもむしろこちらの方かも知れません。雨短執筆時に火が点いた《本格ミステリ×ハードボイルド》への思いは次作の『幻月と探偵』(KADOKAWA)に引き継がれ、本作に登場した小此木鶴羽と菊水簾吾郎は『京都陰陽寮謎解き滅妖帖』(星海社)の狩埜師実と九条紅雀に生まれ変わりました。
未読の方も既読の方も、お楽しみ頂ければ幸いです。