駑馬10駕

2025年12月31日

 気付けば年の瀬です。

 思い返すと色々なことがあった筈なのに、毎年あっと云う間に1年が過ぎていくのは何故なのでしょう?


 さて、お陰さまで今年、伊吹亜門はデビュー10周年を迎えることが出来ました。これもひとえに拙作を楽しんでくださった皆さんのお蔭です。厚く御礼申し上げます。

 そんな2025年は以下のようなお仕事でした。

1月『路地裏の二・二六』(PHP研究所) 

3月『刀と傘(繁体字版)』(独歩文化)

6月 JPIC読書アドバイザークラブ講演会

  中京優良申告法人会講演会

  本格ミステリ大賞の予選委員を拝命

10月『ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願』(集英社)

11月「霧の岬の男」(双葉社『WEB小説推理』2025年12月号掲載)

  トークイベント「僕と、名古屋と、ミステリと」(於 NAgoya BOOK CENTER)

 今年はこれまで以上にお話しするタイプのお仕事を多く頂きました。内容は様々ですが、主に本格ミステリの話から歴史や京都に関する講演、はたまたサラリーマンと作家業の二足のわらじについてなどが多かった印象です。このようなテーマのイベントで講師にお困りの方は、是非ご一報ください。当方兼業作家ゆえ土日祝日には限られてしまいますが、フットワークの軽さだけが取り柄なので、全国津々浦々、何処なりとも参ります。

 新刊ですが、今年は『路地裏の二・二六』と『ゴールデンカムイ 鶴見篤四郎の宿願』の2冊を上梓することが出来ました。前者はいつかやりたいと思っていた《二・二六事件×本格ミステリ》の長編、後者は大好きな作品の公式スピンオフノベライズということで、共にとてもやりがいのあるお仕事でした。

 殊に『~宿願』は、これまでとは違う筋肉を使って書いたせいか、深く印象に残る作品となりました。執筆に際して一番に掲げたのは、何よりも『ゴールデンカムイ』の名を穢さないということです。もし原作ファンの方々に楽しんで貰えたのならば、これに勝る喜びはありません。

 2026年の刊行予定です。

 まず、双葉社さんでお世話になっている《歴史×海洋ミステリ》シリーズが、書き下ろをし含めて1冊に纏まる予定です。1話は平安時代の遣唐使船、2話は戦国時代の安宅船、3話は江戸時代後期の異国船、4話は終戦間際の大日本帝国海軍、5話は恐らく平成……と、伊吹亜門史上最も幅広い時代に跨る短編集になるのではないかと思います。ご期待下さい。

 その他にも、講談社《満洲探偵物語シリーズ》、KADOKAWA《海軍主計士官シリーズ》、東京創元社《刀と傘・東亰明暗篇》も順次書き進めていきたいと思います。そう遠くない内に1冊で纏めたいですね。

 よくご質問を頂く『焔と雪』の続編にして最終作となる長編ミステリも、漸くプロットの形で纏まり始めました。鯉城と露木の物語をどのように終わらせて、また新しい一歩を踏み出させるのかは既に決まっているのですが、頭のなかにある構想をアウトプットするのになかなか時間を要しています。こちらもそう遠くない内にはお披露目出来るよう努めますので、気長にお待ちください。


 今年は金沢、指宿、鹿児島、堺、鳳来寺山、札幌、大阪万博、上越、師崎、尾道、広島、平塚、湘南、武雄温泉、佐賀、博多、二日市、香椎、近江八幡、横浜、横須賀と色々な土地を訪ねました。思い立ったが吉日を信条に生きているので、これからも色々な土地を旅してみたいと思います。

 これらの旅行は取材も兼ねているため、旅先では史跡などを巡りつつ多くメモを取りますし写真も撮ります。行く先々の料理に舌鼓を打ち、その土地のお酒もたらふく戴きます。

 それでふと思ったのです――せっかく色んな処を見て廻るんだから、旅行記の形で纏めたら面白いんじゃないか?

 元より私は旅行記や紀行文、食い倒れの随筆などが大好きで、晩酌のお供も最近はもっぱら旅系Vlogだったりします。だからこそ、いつか自分もこの類いをやってみたいなあと思っていたのです。

 これもまた思い立ったが吉日。いずれ同人誌の形でそのような旅行記(時々ミステリ)を創ってみたいと考えています。同人誌へ寄稿したことはこれまでも何度かありますが、自分で一冊の本を創るのは初めての経験です。新しいことに挑戦するというのは、幾つになってもわくわくするものですね。


 本当に、行きたい場所は山ほどあります。書きたい物語も山ほどあります。ただ、無茶はいけません。人間、生きているとどうしても遮二無二走らなければならない場面というのは出てくるものですが、大事なのはそれがいつなのかを見極めることだと思います。

 細く、長くやっていきたいと思っています。

 それでは皆様よいお年を。来年も伊吹亜門をよろしくお願いします。