2018年

2018年12月31日

 お久しぶりです。伊吹亜門でございます。

 もう年の瀬ですか、早いですね。今年を振り返ると、「監獄舎の殺人」でミステリーズ!新人賞を頂いた2015年も勿論そうですが、矢張り、初の単著を上梓することが出来た2018年は、先にも後にも私の人生に於いてとても大切な年になりました。

 伊吹亜門はSNSをやっていないので、実は『刀と傘』の評判がどうなのかは今ひとつ分かっていません。それでも、同志社ミス研時代の先輩後輩諸氏―所謂、ミステリの鬼たち―はナカナカ面白かったと云ってくれ、どれだけホッとしたことでしょう。Twitter等でも感想を上げて下さる方がいらっしゃるようで大変ありがたいことです。(そう云えば、これも人伝に知ったのですがTwitter上に「伊吹亜門bot」なる物ができているようですね。私じゃありませんよ?)


 さて来年のお話です。

 何か具体的な告知や宣伝でも出来れば良いのですが、お恥ずかしい話、12月31日現在、なーんにも決まっておりません。若しかしたら雑誌にインタビュー記事が載ったり、とうらぶミステリの時みたいに某同人誌にミステリ掌編が載ったりするかも知れませんが、まーどうでしょうか。確定したらまたココでお報せします。

 なので、ぽつぽつと短編を書きながら、目下取り組んでいます、幕末の京都を鹿野師光が走り回ったりするミステリ長編を仕上げられたらなァと考えています。二足の草鞋を履く身ではありますが、ま、何とかなるでしょう。

 漸く京都での仕事を納め、昨日の夜に帰省してきました。この酒樽奇談は名古屋の実家、高校卒業まで使っていた自室の学習机で書いているという訳です。

 目の前の棚には、古びた大学ノートが何冊か並んでいます。高校を卒業した後も、「いつかミステリ長編を書く時に資料として使えるかも知れないぞ」と思い、敢えて棄てなかった生物や日本史、保健体育のノートです。

 懐かしいような小っ恥ずかしいような気持ちでぱらぱら捲ってみれば、自作のトリック図や探偵役の名前の候補など、どのノートの片隅にも見果てぬ夢の名残が残っていました。それらを見て初めて、ああ自分は夢を叶えたんだなあ、と私は実感することが出来ました。

 生々流転するこの世の中で、子どもの頃の夢を叶えるのがどれほど素晴らしいことなのか。思い返せば、矢張り多くの人に支えられて、助けられてこそのミステリーズ!新人賞、そして『刀と傘』だったと思います。

 書きたいミステリや物語は、まだ山ほどあります。折角頂いたこのチャンス。これからも面白い、心躍るような本格ミステリを書いていくことが出来ればと思っています。

 来年も、伊吹亜門をどうぞよろしくお願いします。


 それでは皆様、良いお年をお迎え下さい!