【新作告知】「椿夫人のすばらしい館」
2026年02月21日
満州国哈爾浜の私立探偵、月寒三四郎の許に、満洲人の少女が訪れる。少女はなけなしの金を手に、馬賊に身を投じた兄を捜して欲しいと月寒に依頼する。
阿片で身を持ち崩したその兄は、今は日本人官吏の寡婦が経営す療養院に収容されているのだと云う。依頼を引き受けた月寒は、早速、哈爾浜南方の荒野に建つというその療養院を訪れる。
芳しい薔薇が咲き乱れ最新鋭の設備も導入されたその施設はすばらしく、しかしどこか歪な印象を月寒に抱かせる。果たしてその療養院の主、椿夫人の目的とは何なのか――?
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2/20発売の『小説現代』(2026年3月号/講談社)に、〈満洲探偵物語シリーズ〉の新作読み切り短編「椿夫人のすばらしい館」が掲載されます。
同号では【Huluオリジナル「時計館の殺人」配信記念特集】と銘打って種々の企画が掲載されており、その内のひとつ《「館」小説特集》では、青崎有吾、大山誠一郎、斜線堂有紀、竹本健治という錚々たる顔ぶれのご相伴にあずかり、伊吹亜門も館ミステリの短編を寄稿しました。
『メフィスト』に寄稿した犯人当て小説「波戸崎大尉の誉れ」や、冒頭の1行を揃えるMephisto Readers Clubの人気企画第4弾《だから捨ててと言ったのに》に寄せた「だから棄てゝと云つたのに」と、講談社さんでのお仕事は何かと満洲ミステリが多かったため、ならば今回もそれでいこうと或る史実を基に執筆しました。
新本格ミステリで育った平成ヒト桁生まれのミステリ作家として、このような時計館の〝落成式〟に関わることが出来ましたのはこの上ない誉れです。他のすばらしい企画・作品と共にどうぞお楽しみください。
