【新作告知】「大洋を震わす」
2026年04月09日
同封いたしましたノートは、那智中尉が鱶姥に着任後、その死の直前までつけていた日記になります。訳あって当方が引き取り、いつか遺族の方に手渡そうと、今日に至るまで大切に保管しておりました。
これを貴台にお返しします。先ずは最後までお読みください。その上で、これ以降の当方の手紙に目をお通し下さい、そうすれば貴台にも弟君の死の理由が、何故那智中尉は終戦後に水上特攻を敢行せねばならなかったのかをご理解頂けることと存じます。
4/10配信の『WEB小説推理』2026年5月号に「大洋を震わす」という短編を寄稿しました。
《歴史×海洋・船舶》を主題とした連作ミステリの4作目。平安時代の遣唐使船、戦国時代の安宅船、江戸時代後期の異国船と続いて、今度は日本海に面した青森県の鄙びた漁村、鱶姥を舞台に、大日本帝国海軍の水上特攻艇——二五〇キログラムの爆装を仕込んだベニヤ製小型モーターボートの〈震洋〉を選びました。
8月15日の終戦後にも拘わらず、若き特攻隊長の那智中尉はなぜ震洋に乗り込み、出撃せねばならなかったのか。特攻参謀、入舟清四郎少佐が明かす真実とは。
夢野久作や連城三紀彦の諸作など、私が偏愛し、いつか書きたいと思っていた書簡形式ミステリです。
