【新作告知】「その名は江藤」
2026年10月11日
天誅の嵐吹き荒れる文久二年秋の京都。過激な攘夷論者であった遠州静波藩士、赤渕破山が、仙洞御所の御台所門外で殺される。訳あって赤渕を匿っていた桂小五郎はこれを自藩に対する侮辱と捉え、腹心の長州藩士、小此木鶴羽に赤渕殺しの下手人を捜索するよう命じた。
ミステリ作家、伊吹亜門の公式ブログです。
天誅の嵐吹き荒れる文久二年秋の京都。過激な攘夷論者であった遠州静波藩士、赤渕破山が、仙洞御所の御台所門外で殺される。訳あって赤渕を匿っていた桂小五郎はこれを自藩に対する侮辱と捉え、腹心の長州藩士、小此木鶴羽に赤渕殺しの下手人を捜索するよう命じた。
「人間のこころはおもしろい。歓楽きわまって哀傷の生ずることもあれば、かなしみの極致に、ホンノリしたうれしさが同居していることもある」
房総半島南部の鄙びた漁村、鱧戸村で、分限者の魚棚賀一が崖から転落して死亡した。賀一は死の間際、娘婿の魚棚時雨朗にこんな言葉を遺していた――「祠を壊せ、嵐の夜に」。