【新作告知】「笑う平四郎」
2026年06月10日
司法省設立に向けて奔走する江藤新平は、賢侯と名高い先の越前福井藩主、松平春嶽に協力を仰ぐ。
春嶽は江藤の申し出を快諾するものの、ひとつだけ条件を付ける。それは、自身の名代として京都へ赴き、昨年同地で攘夷派の凶刃に斃れた新政府参与、横井小楠の死に際を確かめて来るというものだった。京都の監獄舎には、横井を襲撃した下手人が今も牢に繋がれているのだ。
春嶽には、横井を重臣として傍に置いていた過去があった。しかし、だからと云ってそこまでするのは異常ではないか。訝しむ江藤に、春嶽はこう囁く。
「余は知りたいのだ。果たしてあの男は、横井平四郎は嘆いて死んだのか、それとも笑って死んだのか喃――」
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6/12発売の『紙魚の手帖 vol.29 JUNE 2026』に、〈刀と傘シリーズ〉の新作読み切り短編「笑う平四郎」が掲載されています。
京都の寺町丸太町を下がったところに、横井小楠殉節地を示す石碑があります。遡ること13年前、今出川に住む大学生だった私は、いつもこの前を通って河原町BALのジュンク堂へ通っていました。本作の最後で江藤さんが明かす動機は、その時に思いついたものです。
お楽しみいただければ幸いです。

