【新刊告知】『幻月と探偵』(角川文庫)
2024年06月13日
6/13に満洲ミステリ『幻月と探偵』が角川文庫から刊行されました。
表紙はカバーイラスト:鈴木康士さん、カバーデザイン:青柳奈美さんにお願いをしています。単行本では満月が目立つ鮮やかな表紙だったのですが、今回は探偵役の月寒三四郎をアピールして頂きました。真逆こんなかっこいい奴だったとは。作者も驚いています(ちなみに月寒は『推理の時間です』(講談社)収録の短編「波戸崎大尉の誉れ」と、Mephisto Readers Club(講談社)で開催中の企画《だから捨ててと言ったのに》に寄稿した掌編「だから棄てゝと云つたのに」にも登場します。気に入って下さった方は、是非そちらもご覧ください)。
文庫化に際して、解説は法月綸太郎先生から、帯コメントは有栖川有栖先生から頂戴することが叶いました。国内戦前ミステリ生まれ、新本格育ちの私にとってはこの上ない誉れです。本当にありがとうございました。
幻月の執筆からは早4年近く経ちましたが、満洲ミステリに対する熱は未だ冷めやらず、伊吹亜門にとっては大きな柱の一本であると思っています。幻月のような長編満洲ミステリ、またやりたいですね。
厳寒の満洲と灼熱のシベリア、現在の罪と過去の業が交差するひとつながりの惨劇に、孤独でお節介な探偵、月寒三四郎が挑むこの物語をお楽しみ頂ければ幸いです。